17回日本コンピュータ外科学会大会

 第17回日本コンピュータ外科学会大会が,2008年10月31日~11月2日,東京女子医科大学 弥生記念講堂にて伊関 洋 大会長のもと,開催されました.今年度からはコンピュータ支援画像診断学会との合同開催ではなく,単独開催となり,講演論文集もコンピュータ外科学会誌Vol.10 No.3が大会場で配布される形となりました.今大会のテーマ「~安全と安心のためのCAS~」に従った企画が開催され,関連する数多くの演題が発表されました.

 初日の10月31日,伊関大会長挨拶の後,9:00の一般講演から大会が始まり,最終日の11月2日まで14の一般講演セッションと2回のポスターセッション,および機器展示が行なわれました.10月31日は教育セミナー「コンピュータ外科における生体機能可視化の基礎と応用」,11月1日には特別シンポジウムとパネルディスカッション(1),11月2日は特別講演とパネルディスカッション(2)が開催されました.また11月1日には東京女子医科大学と早稲田大学の連携先端生命医科学研究教育施設TWInsの2Fラウンジで懇親会が開催され,論文賞の表彰なども行なわれました.

 特別シンポジウムは,東京女子医大で大会が開催されることに関連して「Women In Computer Aided Surgery」のタイトルで企画され,CAS分野で活躍されている女性研究者,医薬品食品衛生研究所 植松美幸,医薬品医療機器総合機構 岡本はる奈,鶴見大学 重田優子,吹田市病院 前田ゆき,産業技術総合研究所 山下樹里,東京大学 小林英津子の先生方によって,これまで研究に携わって来られた経緯と研究内容が発表されました.女性ならではの新しい視点で機器の開発が可能になると考えられるにも関わらず,まだまだCAS分野で研究活動している方が少ないことから,今後は多くの女性研究者の参画が期待されることが述べられました.

 パネルディスカッション(1)は「医・理・工融合研究室から発信する新しい医工学」のタイトルで開催されました.本年度誕生した東北大学大学院医工学研究科,および東京女子医科大学と早稲田大学の連携先端生命医科学研究教育施設(TWIns)に関連して,この両施設の設立理念,研究概要の発表が東北大学からは松浦祐司,田中真美,早稲田大学からは高西淳夫,庄子習一,東京女子医科大学からは清水達也の各先生により行なわれました.東北大学大学院医工学研究科は医学部と工学部双方の学生が会して研究科を構成するという新しい試みであり,TWInsも同一の研究施設内に異なる大学の異なる学部の研究者が会して医工連携研究を行なう新しい形の施設です.TWInsに関しては,毎昼休みに施設見学を行なうツアーが開催され,研究内容のデモ,最新の設備を見学することができました.

 特別講演は虎の門病院泌尿器科部長の小松秀樹先生が「医療再生」をテーマに講演されました.100%安全で完全な治療はあり得ないにもかかわらず一般の人がそれを期待していること,医療現場が過剰労働状態となっており,医療に対する過大な要求に見合った医療費支出が行われていないこと,厚生労働省がこの医療の現場の声を十分に認識していないことなど現状の医療制度の問題点とその再生の方法について講演が行われました.また医療の質の向上の努力とそのための情報の提供を行う組織を設立するべきであるとの提言もされました.

 パネルディスカッション(2)は「レギュラトリーサイエンスからみた治療機器実用化のための問題点と解決策」のタイトルで開催されました.レギュラトリーサイエンス(以下RS)とは1987年に国立医薬品食品衛生研究所名誉所長の山内充氏が「身の回りの物質や現象について,その成因と実態と影響とをより的確に知るための方法を編み出す科学であり,その成果を使ってそれぞれの有効性(メリット)と安全性(デメリット)を予測・評価し,行政を通じて国民の健康に資する科学である」(日本薬学会レギュラトリーサイエンス部会設立趣意書より)として提唱された概念で,本学会で研究されている医療機器に関する審査基準や行政施策の作成には必要不可欠と考えられます.現状では医療機器は輸入超過で,日本発の治療器は少ないという問題点について,その課題と解決策,RSの導入に関して,産業界からは財団法人化学技術戦略機構の日吉和彦,大学の開発側からは東京大学の佐久間一郎,企業の開発側からは日本メドトロニック(株)の大西昭郎,テルモ株式会社の三澤裕,行政側からは厚生労働省医薬食品局の俵木登美子,中井清人,政策立案側からは慶応大学,参議院議員の古川俊治の諸先生方より講演とディスカッションがありました.

 一般演題では手術場環境システム,VR・トレーニング・シミュレーション,内視鏡,手術機器・デバイス,ナビゲーション,ロボット・マニピュレータ,画像,セグメンテーション,レギュラトリーサイエンス・安全評価に関する14の口頭発表セッション,2つのポスター発表のセッションが開催され,昨年度より17件多い総計111件の研究発表が行われました.今学会では初めてレギュラトリーサイエンス・安全評価に関するセッションが設けられました.また,ポスター発表に関してはJSCAS2008 Poster Awardが新たに設けられ,東京大学大学院の竹下隆章先生が発表した「単眼視による立体形状計測内視鏡」(08(XV)-80)に授与されました.

 あらためて,大会長の伊関 洋先生をはじめとする東京女子医科大学のスタッフと大会参関係者のご尽力に感謝を申し上げ,多くの参加者のご協力によって,充実した大会を成功裡に終えることができたことに敬意を表したいと思います.

 なお,来年度の大会は東京大学医学部中村耕三教授が大会長を務められ,2009年11月21日~23日,東京大学本郷キャンパスにて開催される予定です.

⇒ 大会の様子を示したページです

 
第20回日本コンピュータ外科学会総会

 日本コンピュータ外科学会第20回総会が第17回大会の最終日の11月2日12:00~12:20,大会会場の東京女子医科大学の弥生記念講堂にて開催されました.学会事務局より平成19年度の事業報告,収支決算報告が行われました.国際委員会では,ISCAS2007, SMIT2007, 第3回および第4回ACCASの運営に協力したこと,教育委員会では第16回大会中に第6回のセミナーを開催したこと,2回のin vivo実験会が開催されたことが報告されました.また会計監査の結果,適法,正確であったことが報告されました.引き続き平成20年度の事業計画,収支予算案の説明が行われ,学会員より承認されました.編集委員会からは今後学会誌No.3を大会特集号とし,大会時に発刊することが報告されました.また平成20-21年度理事・監事選任案が提示され,承認されました.顧問の廃止,名誉会員,特別会員の設置に係わる会則の変更案と名誉会員,特別会員案が提示され,承認されました.



13th Annual Conference of ISCAS
(CARS 2009) お知らせ

 International Society for Computer Aided Surgery (ISCAS) の第13回大会が,CARS 2009 (Computer Assisted Radiology and Surgery) としてドイツのベルリンにて開催されます.その他,以下の学会も共催されます.

会 期:2009年6月23日 ~ 6月27日
会 場:Estrel Hotel, Berlin, Germany

WWW: http://www.cars-int.org/
原稿期限: 2009年1月10日

 500-1000 wordsのAbstractまたは2000-5000 wordsの論文を投稿する形式となりました.後者の論文の形式で投稿し,査読後受理されると定期刊行の論文誌「The international Journal of CARS」にも掲載されます.

 一般講演およびチュートリアル,デモンストレーション,企業展示などが予定されています.CASの分野に関しては以下のTopicsが取り上げられています.

 また,旅費,滞在費,登録費の補助が受けられる学生のためのISCAS student scholarships (1~2名)も設けられています.

 その他の詳細,および登録申込みに関しては,以下の事務局またはホームページを参照してください.

CARS Conference Office :
Mrs. Franziska Schweikert
Im Gut 15
79790 Kuessaberg, Germany
Tel.: +49-7742-922-434
Fax: +49-7742-922-438
E-mail: office@cars-int.de


MICCAI 2009お知らせ

 The 12th International Conference on Medical Image Computing and Computer-Assisted Intervention (MICCAI 2009) がイギリスのロンドンにて開催されます.会期と会場を以下に示します.

会 期:2009年9月20日 ~ 9月24日
会 場:Imperial College London in South Kensington, London, United Kingdom

WWW: http://www.miccai2009.org/

 また原稿募集の期限は以下の通りです.

原稿期限:    2009年3月8日
採否通知:    2009年5月18日
最終原稿期限: 2009年6月15日

 一般講演のTopicsを以下に示します.

 その他の詳細,および登録申込みに関しては,以下の事務局またはホームページを参照してください.

MICCAI 2009
ICON-CPD
58 Prince Gate
London SW7 2AZ
United Kingdom
E-mail: enquiries@miccai2009.org



CAOS Asia 2009

 整形外科分野を中心としたコンピュータ外科に関するアジア・コンピュータ支援整形外科学術集会が大阪大学にて下記の要項で開催されます.大阪大学運動器医工学治療学の菅野伸彦教授が会長を務められ,第3回日本CAOS研究会と共催にて開催されます.

会 期: 2009年4月3日 ~ 4月4日
会 場: Rihga Royal NCB, Osaka, Japan

WWW: http://www.caosasia2009.jp/
投稿期限: 2009年1月5日
採否通知: 2009年1月中旬

 Topics を以下に示します.

 その他の詳細に関しては上記のホームページを参照下さい.

 事務局:

髙尾 正樹
〒565-0871 大阪府吹田市山田丘2-2
大阪大学大学院医学系研究科 器官制御外科学(整形外科) 内
Tel: 06-6879-3552  Fax: 06-6879-3559
E-mail: caos@ort.med.osaka-u.ac.jp

※演題登録システムに関するお問い合わせ
E-mail:  caosasia2009@congre.co.jp


ROBOMEC 2009

 ロボティクスおよびメカトロニクスの基礎,理論,要素,応用技術などに関連する最先端の研究が紹介される,ロボティクス・メカトロニクス講演会2009(ROBOMEC 2009 in FUKUOKA)が,下記の要項で開催されます.今年のテーマは「豊かな暮らしを創生するロボティクス・メカトロニクス」です.一般講演はすべてポスターセッションでの発表となります.なお日本コンピュータ外科学会も協賛いたします.

会 期:2009年5月24日 ~ 5月26日
会 場:福岡国際会議場
     〒812-0032福岡市博多区石城町2-1

WWW: http://www.jsme.or.jp/rmd/robomec2009/
講演申込期限: 2009年1月23日
原稿締切期限: 2009年3月20日必着

 事務局:

ROBOMEC09実行委員会
E-mail: rm09@irvs.is.kyushu-u.ac.jp
実行委員長:長谷川勉(九州大学)
プログラム委員長:木口量夫(佐賀大学)


3次元画像コンファレンス2009

 3次元画像に関する最新の研究開発成果,またその応用が発表される,3次元画像コンファレンス2009が,下記の要項で開催されます.日本コンピュータ外科学会も協賛いたします.

会 期:2009年7月9日 ~ 7月10日
会 場:東京大学 武田先端知ビル 武田ホール
     〒113-8658 東京都文京区弥生2-11-16

WWW: http://www.3d-conf.org/
講演申込期限: 2009年2月27日
採択通知:    2009年4月17日
採択原稿期限: 2009年5月15日
早期登録期限: 2009年7月6日

 対象領域:

 問合せ先:

3次元画像コンファレンス2009 実行委員会
〒169-0073東京都新宿区百人町2-21-27
アドコム・メディア(株)
Tel: 03-3367-0571
Fax: 03-3368-1519
E-mail: info2009@3d-conf.org


Photonics West 2009

 画像工学,光工学関連の最新の研究成果が発表されるSPIE (The International Society for Optical Engineering) 主催によるPhotonic West 2009が米国のサンノゼで開催されます.BiOS 2009 (Biomedical Optics),OPTO 2009 (Integrated Optoelectronic Devices), LASE 2009 (Lasers and Applications in Science and Technology), MOEMS-MEMS 2009 (Micro & Nanofabrication) の4学会が同時開催されます.会期,会場,期限,バイオメディカルに関連するBiOS 2009のTopicsを以下に示します.

会 期: 2009年1月24日 ~ 1月29日
会 場: San Jose Convention Center,
     San Jose, California, USA

WWW: http://spie.org/photonics-west.xml

 またBiOS2009のプログラムも以下に公開されています.

WWW: http://spie.org/x7777.xml

 Topics (BiOS 2009)



Medical Imaging 2009

 医用画像に関する基礎研究から臨床応用までの最新の研究成果が発表されるMedical Imaging が米国のフロリダで開催されます.本学会もSPIE (The International Society for Optical Engineering) の主催です.会期,会場,Topicsを以下に示します.

会 期: 2009年2月7日 ~ 2月12日
会 場: Disney Coronado Springs Resort
     Orlando, Florida, USA

WWW: http://spie.org/medical-imaging.xml

 またプログラムも以下に公開されています.

WWW: http://spie.org/x12171.xml

 Topics:



MMVR17

 医療分野におけるVirtual Reality関連技術が発表されるThe 17th Annual Medicine Meets Virtual Reality Conferenceが米国のカリフォルニアで開催されます.今大会のテーマとしては "NextMed: Design for/the Well Being" が掲げられています.

会 期: 2009年1月19日 ~ 1月22日
会 場: Hyatt Regency Long Beach, 
     Long Beach, California, USA

WWW: http://www.nextmed.com/
E-mail:MMVR17@nextmed.com

 またプログラムも以下に公開されています.

WWW: http://www.nextmed.com/pdf/MMVR17_Program.pdf

 Topics としては以下の項目が挙げられています.



MIRA 2009

 低侵襲外科手術に関わる手術ロボットに関する研究成果,臨床応用などが発表される 4th Annual Minimally Invasive Robotic Association (MIRA 2009)がカナダのケベックにて開催されます.

会 期: 2009年1月28日 ~ 2月1日
会 場: Le Chateau Frontenac, Quebec City, Canada

WWW: http://www.mira2009.com/

 またプログラムも以下に公開されています.

WWW: http://www.mira2009.com/sci_program.aspx

 Topicsを以下に示します.



ISBI 2009

 医用および生体に関する画像工学の国際会議 The 6th IEEE International Symposium on Biomedical Imagingが米国のボストンにて下記の要項で開催されます.

会 期: 2009年6月28日 ~ 7月1日
会 場: Boston, Massachusetts USA

WWW: http://www.biomedicalimaging.org/
投稿期限:    2009年1月19日
採否通知:    2009年3月30日
最終原稿期限: 2009年5月1日
早期登録期限: 2009年5月1日

 Topics を以下に示します.



CAOS 2009

 整形外科分野を中心としたコンピュータ外科に関する国際会議 The 8th Annual Meeting of the International Society for Computer Assisted Orthopaedic Surgeryが米国のボストンにて下記の要項で開催されます.

会 期: 2009年6月17日 ~ 6月20日
会 場: The Fairmont Copley Plaza, Boston, USA

WWW: http://www.caos-international.org/2009/
E-mail: CAOS2009@CAOS-International.org
投稿期限:   2009年1月30日
採否通知:   2009年3月16日
著者登録期限:2009年4月6日

 その他の詳細に関しては上記のホームページを参照下さい.



NER 2009

 Neural Engineeringに関連する学会としてThe 4th International IEEE EMBS Conference on Neural Engineering (NER 2009) がトルコにて下記の要項で開催されます.

会 期: 2009年4月29日 ~ 5月2日
会 場: Sheraton Voyager Antalya, Turkey

WWW: http://www.fulton.asu.edu/~ne2009/

投稿期限:    2009年1月12日
採否通知:    2009年2月23日
最終原稿期限: 2009年3月13日
早期登録期限: 2009年3月27日

Topics:



EMBC 2009

 Medical Physics と Biomedical Engineeringに関連する学会として31st Annual International Conference of the IEEE Engineering in Medicine and Biology Society (EMBC2009) が下記の要項にて米国のミネアポリスで開催されます.”Engineering the Future of Biomedicine” が今大会のテーマです.

会 期: 2009年9月2日 ~ 9月6日
会 場: Hilton Minneapolis, Minneapolis, USA

WWW: http://www.embc09.org/

投稿期限:    2008年4月7日
採否通知:    2008年6月13日
最終原稿期限: 2008年6月25日
早期登録期限: 2008年7月18日

Topics:

 一般講演の他にシンポジウム,特別講演,Workshopが開催されます.詳細につきましては,上記ホームページまたは以下の事務局までお問い合わせ下さい.

IEEE EMBS Conferences
Attn: EMBC 2009
445 Hoes Lane Piscataway NJ 08854, USA
Email: embc2009@gmail.com
Tel: +1-732-981-3451
Fax: +1-732-465-6435


学会 ホームページご案内http://www.jscas.org/

日本コンピュータ外科学会では,ホームページ(http://www.jscas.org/)にて以下のような情報の提供を行っております.

今後,ますます内容の充実を図って行きたいと考えておりますので,皆様のご希望,ご意見など学会事務局宛までお寄せいただければ幸いです.



あとがき

投稿,お便りの募集

CAS Newsletter では,皆様からの投稿やお知らせを募集 しています.研究紹介や関連学会参加報告など奮ってご応募下さい.

また,皆様からの企画等もありましたらお知らせ頂けると幸いです.


CAS Newsletter No.43

編集:  日本コンピュータ外科学会 広報部会
     (大阪医科大学 谷川,名古屋大学 生田,
      千葉大学 中村,職業大 花房)
 
学会事務局:〒113-8656 東京都文京区本郷 7-3-1
      東京大学 工学部 精密機械工学科 
      医用精密工学研究室

E-mail:office@jscas.org
WWW: http://www.jscas.org/
Tel: 03-5841-7481
Fax: 03-5841-6481